2015年09月15日

特別企画「銀河鉄道の夜」

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宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。有名な作品なのでご存じの方も多いのではないでしょうか。天の川とその近辺の星座や天体を背景に繰り広げられる物語です。この素敵な物語をテーマにした特別企画を開催しました。土曜日恒例の天文講演会「かつしか宙(そら)トーク」と天体観望会「かつしか星空散歩」、このふたつのコラボ企画、「銀河鉄道の夜」特別バージョンです。

P1010040_s.JPGところで『銀河鉄道の夜』は、天の川にそって走る「銀河鉄道」に、主人公たちが乗りこんで旅をするお話です。その旅の途中、本物の星座や天体にまつわるエピソードがたくさん登場しますが、天文に造詣が深い賢治ですので、実際の星図に忠実な経路と物語になっているのです。
イベント前半の「トーク」セッションでは、そういった天文に関連深い点を中心に、宮沢賢治や物語についての解説をお話しました。

また物語の有名ないくつかのシーンについて、我々の「読姫」たち・朗読チームが朗読を披露。それぞれのシーンの美しい情景をお伝えしました。賢治の世界が心の中に鮮明に思い描かれたではないでしょうか。

そして締めはやはりの合唱です。今回はウクレレとハーモニカの伴奏がつきました。曲は賢治作詞作曲の『星めぐりの歌』。『銀河鉄道の夜』にはこれしかない、というぴったりの歌です。ちなみにこの曲の歌詞はなかなか興味深い内容ですよ。

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さて後半は「かつしか星空散歩」の特別バージョン、いつもの大型望遠鏡ではなく、おもむきを変えて屋上に設置した2台の小型望遠鏡で星を観察します。ところでなぜいつもの観測室での観察ではないのでしょうか。それは複数の望遠鏡で『銀河鉄道の夜』ゆかりの天体をなるべく多くのみなさんに観ていただきたいこと、そして屋上という開けた場所で、ご自分の目でも星を探してたくさん発見してもらいたかったからなのです。

たくさんのお客さまに屋上に上がっていただき、まずは雲ひとつない博物館屋上の開けた夜空とご対面。満天の星空とはいきませんが、「目が慣れてくると結構星が見える」という感想も頂きました。記録的な悪天候が続いていましたが、天気が良くてよかったですね。また明かりを使わずにゆっくり目を暗さに慣らしていくことが星を観る上で大切だということが分かっていただけたと思います。

望遠鏡での観察では、サファイアとトパーズがくるくると回る観測所・二重星「アルビレオ」、ルビーよりも赤くリチウムよりも美しいサソリの火・「アンタレス」(なぜリチウムが引き合いに出されたか分かりますか?)、その他去りゆく夏の星々をご覧いただきました。先ほど勉強した『銀河鉄道の夜』の世界を実際に目にしてうれしい発見がいろいろあったのではないでしょうか。

そして何よりもうれしかったのは、待ち時間に夜空に指をさして星の位置を確認されて楽しまれているお客さまが多かったこと。当日の日中にプラネタリウムを鑑賞し、そのとき覚えた星を一つ一つたどっておられる小さなお客さまのいらっしゃいました。いっしょにお話をさせていただき、楽しい時間を過ごすことができました。

みなさまと共に過ごした「銀河鉄道の夜」、忘れられない夜になりました。

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posted by スターウォッチングスタッフ at 01:21| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天文イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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